緘黙症ではなく、発達障害ではなく、選択的な沈黙
発達障害の診断を受けている人の中には、対人コミュニケーションに悩みがあるという方も多いのではないでしょうか?
例えば特定の話題について一方的に話し続けてしまうタイプや
三人以上になると会話についていけず、あまり喋らない人と人から思われてしまうタイプ
状況やその人の特性によって特徴が異なります。
選択的な緘黙について記事を書いてみようと思います。
場面緘黙症とは?
米国精神医学会 (APA) が定めた「精神障害の診断と統計の手引き (DSM)」の2013年改訂版 (DSM-5) の診断基準によれば、場面緘黙は、
「他の状況で話しているにもかかわらず、特定の社会的状況において、話すことが一貫してできない」
状態であると定義されている。
また、世界保健機関 (WHO) が1990年に設定した「疾病及び関連保健問題の国際統計分類 (ICD)」の第10版 (ICD-10) では、場面緘黙は、
「第5章 精神及び行動の障害 (F00-F99)」
→「F90-F98 小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害」
→「F94 小児<児童>期及び青年期に特異的に発症する社会的機能の障害」
→「F94.0 選択(性)かん<縅>黙」
という疾病に分類されており、情緒障害に含まれている。
*日本場面緘黙研究会より引用
ICD-10やDSM-5というのは、いわゆる精神科領域における病状の診断基準を示すものです。
いわゆる、その症状により患者にどのような弊害が生じているのか、どのような治療が適切か(薬物治療や認知行動療法のカウンセリング、SSTなど)を診断書に記載するためのツールのようなものというと分かりやすいでしょうか。
場面緘黙症も、発達障害(神経発達障害)も、精神科領域において障害であると明文化されたことで、
これまで原因がわからずに生きづらさを抱えて生きてきた人々にとっては希望になっていることでしょう。
ところで、そういった障害に由来することのない、選択的な沈黙というものもあります。
喋るべき場面において、喋らない。ということです。
喋らない。
それだけ。
普通に会社勤めをされている方などにとっては難易度と危険度があまりにも高い行動かもしれません。
コミュニケーションが取れない人って困りますからね。
それでも私は、声を出したくないときは出しません。
沈黙を貫いています。
会話をしない。
話したほうが早い時はもちろん話しますが、本当に大事なことは記録が残るようにメールで送るようにしています。
口頭で「いった」「いわない」のトラブルの回避にも繋がり、つい感情的になりそうな場面でも一呼吸おけるので、沈黙をしています。
発達障害ゆえに、雑多な場所での会話が苦手だからということもできるかもしれませんが、障害由来とは思わず、自己の意思決定による沈黙であると考えています。
そういう生き方も、選択もありなんじゃないかと、思考の余地を残すような生き方をしたいです。
後半は自分語りになってしまいましたが
障害というのは「その社会が抱える」障害という意味であって
個人が社会にとっての障害、という意味ではありません。
誰もが生きやすい社会というと綺麗事のように聞こえますが、
少しでも一人でも、生きづらさを克服できる社会となることを願っています。
以上