専業社不のブログ

ニョエのブログ。ツイッターもやってるよ

無職ダイアリー 

友人の骨を拾った

2/18

 

先日友人が亡くなり、葬儀に参列した。

20代。不慮の事故であった。

事故直後の遺体と対面した他の友人から話を聞くと、見るに堪えない状態だったという。

私はその一週間後、死化粧で比較的整えられた状態の彼と対面したのだった。とは言っても、生前の姿と似ても似つかないぐらい相貌が変わっており、その姿が二週間経った今でも忘れられない。

 

葬儀場では、遺体とその横に副葬品と呼ばれる生前の持ち物や好きだったお菓子、手紙などが並んでいた。

そして祭壇には位牌。名前、没年没日、そして戒名が記されている。名前からとった一文字、生前好きだったものにちなんだ一文字が充てられていた。

 

副葬品や花を棺にたくさん供え、いよいよ出棺の時間になった。

故人の祖母が涙を流しながらたくさん言葉をかけていた。「親不幸だ」「長男として、みんなを空から守ってね」「どうして先に逝ってしまうの」

やり切れない、苦しい叫びだった。

 

その後、火葬、収骨まで参加した。骨は太く、丈夫で、骨の中の繊維はハリがあった。

骨壷に入りきらず、葬儀場の職員が二度手を合わせ、骨を折りながら押し込むことでなんとか収まったのだった。狭い収骨室で、友人の骨を折る音を、何故だか痛いと思いながら聞いていた。

 

 

葬儀終了後会場を後にするが、すぐ後ろには気丈に振る舞っていた喪主の母親が泣き崩れる姿があった。

自分は寄り添うほど親しくもない。故人の兄弟姉妹たちがそばでずっと母親の身体を支えていた。

あの日自分に出来る事など、何一つなかった。

もう骨になっちゃったんだから。

お骨を拾って持ち上げて、彼の成仏を祈ることしかできなかった。

 

 

故人と一番仲の良かった友人は、「今は実感ないけど、いつも通り遊ぼうって思う度にもう居ないって実感するんだろうね」と言った。

私は、故人とはゲーム繋がりの友人同士だった。ゲーム内でクランを作り、お揃いの名前で一緒に遊ぶ仲だった。

ゲーム内チャットは一定期間経つと自動で消去される。先日、とうとう彼との最後のやりとりが消えてしまった。クランは残しておくつもりだ。

 

 

人の死というのは大きなストレスである。

もう会えないのに確実にそこにいたという記録や記憶が残る。

なのに会えない。

もっと一緒にゲームしたかった、一緒に飲みたかった、彼の悩み事をもっと親身に聞いていていれば……

 

 

葬儀場で、平らな線香にメッセージを書いて故人へ捧げる、手紙式線香というものがあった。「出会ってくれてありがとう」とだけ書いて手向けてきた。

 

一緒に過ごせた時間は私の心の支えになった。短い間だったけど、ありがとう。